アフィリエイト個人事業主の勘定科目と仕訳のまとめ

アフィリエイト事業を青色申告する場合、複式簿記で帳簿付けする必要があります。

個人用の銀行口座を事業用に転用して、できるだけクレジットカードで決済すると管理が楽です。クレジットカードで購入することで、実店舗でもAmazonでも仕訳のやり方が共通になるからです。

事業用のお金を個人用に使ったときは「事業主貸」として仕訳することになります。

アフィリエイト報酬は確定したときに「売掛金」、振込みされたときにその売掛金を「普通預金」に回収したものとして仕訳します。

クレジットカードで諸経費を支払った場合は、決済したときに「未払金」、引落しされたときにその未払金を「普通預金」から支払ったものとして仕訳します。

アフィリエイト事業の勘定科目

分類 仕訳の
タイミング
借方 貸方
アフィリエイト報酬 確定 売掛金 売上
アフィリエイト報酬 振込 普通預金 売掛金
サーバー/ドメイン新規 契約 通信費 未払金
サーバー/ドメイン新規 引落 未払金 普通預金
サーバー/ドメイン更新 引落 通信費 普通預金
家賃(個人) 引落 事業主貸 普通預金
家賃(事業) 引落 地代家賃 普通預金
インターネット料金(個人) 引落 事業主貸 普通預金
インターネット料金(事業) 引落 通信費 普通預金
電気料金(個人) 引落 事業主貸 普通預金
電気料金(事業) 引落 光熱費 普通預金
コワーキングスペース 利用 雑費 未払金
コワーキングスペース 引落 未払金 普通預金
パソコン 購入 消耗品費 未払金
パソコン 引落 未払金 普通預金
書籍/文房具 購入 雑費 未払金
書籍/文房具 引落 未払金 普通預金

アフィリエイト報酬の仕訳

  • アフィリエイト報酬は発生主義なので確定した時点で仕訳する。
  • アフィリエイト報酬が確定した時点で「売掛金:売上
  • アフィリエイト報酬が振込みされた時点で「普通預金:売掛金

アフィリエイト報酬の確定

借方 貸方
売掛金 15,000 売上 15,000

アフィリエイト報酬は、金額が確定する月末に「売掛金:売上」の勘定科目で仕訳します。

売上と売上高の違い

売上は取引ごとの売り上げのこと。売上高は一定期間(たとえば一年間)の売り上げのこと。毎月のアフィリエイト報酬は「売上」として仕訳する。

売掛金および売上は税込みの金額で計上します。金額は、ASP各社のレポート画面などで確認できます。

アフィリエイト報酬が税抜きで表示されている場合は、その金額の税額(10%分)を加算した金額を計上します。振込みされる報酬は税込み金額だからです。

例)税抜き14,000円の場合 → 15,400円の売上として計上する。

アフィリエイト報酬の振込み

振込手数料がASP持ちの場合

借方 貸方
普通預金 15,000 売掛金 15,000

ほとんどのASPは振込手数料をASP側で負担してくれるので、振込みされたときに「普通預金:売掛金」の勘定科目で仕訳します。

振込手数料が引かれる場合(A8.netなど)

借方 貸方
普通預金 14,340 売掛金 14,340
振込手数料 660 売掛金 660

アフィリエイト報酬の振込みの際に手数料が引かれて振込みされた場合は、「普通預金:売掛金」(報酬)と「振込手数料:売掛金」の勘定科目で分けて仕訳します。

たとえばA8.netは振込手数料がかかるため「普通預金」と「振込手数料」の複合仕訳になります。

サーバー・ドメインの仕訳

  • サーバーやドメインを新規契約したときは、契約時に「通信費:未払金」、引落し時に「未払金:普通預金
  • サーバーやドメインの更新(継続)は引落し時に「通信費:普通預金

サーバー新規契約料(クレカ払い)

新規契約のとき

借方 貸方
通信費 11,880 未払金 11,880

引落しされたとき

借方 貸方
未払金 11,880 普通預金 11,880

サーバーの新規契約をクレジットカードでおこなったときは「通信費:未払金」の勘定科目で仕訳しておき、さらに引落しされたときに「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

サーバー更新料(クレカ払い)

借方 貸方
通信費 13,860 普通預金 13,860

クレジットカードで契約したサーバーの更新料は、引落しされたときに「通信費:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

ドメイン新規契約料(クレカ払い)

新規契約のとき

借方 貸方
通信費 500 未払金 500

引落しされたとき

借方 貸方
未払金 500 普通預金 500

ドメインの新規契約をクレジットカードでおこなったときは「通信費:未払金」の勘定科目で仕訳しておき、さらに引落しされたときに「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

ドメイン更新料(クレカ払い)

借方 貸方
通信費 1,728 普通預金 1,728

ドメインの自動更新は、引落しされたときに「通信費:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

ムームードメインの自動更新

ドメインの自動更新は、更新期限1ヶ月前に自動引き落としの決済処理がおこなわれます。

ドメインを複数(多数)契約していると、どのドメインがいつ更新料を引落しされたのか混乱しがちです。そんな時はメールをドメインや日付で検索することでそのドメインの更新日や請求日を正しく追うことができます。

家賃など按分できる経費の仕訳

  • 更新していく経費は引落しされたときに仕訳する。
  • プライベートと事業の割合で分けて計上できる。
  • プライベート分は引落し時に「事業主貸:普通預金

家賃やインターネット料金、電気料金は、プライベートと事業(アフィリエイト事業)に分けて仕訳できます。これを家事按分と言います。

プライベート用のお金については、事業用のお金を個人に貸し出したものとして「事業主貸」で仕訳します。

自宅兼事務所の家賃

借方 貸方
事業主貸 60,000 普通預金 60,000
地代家賃 40,000 普通預金 40,000

※家賃10万円を事業主貸(個人)60%、地代家賃(事業)40%として按分した場合

家賃は、一般的には継続して支払っていく契約になるため、引落しされたときに仕訳することになります。

プライベート分を「事業主貸:普通預金」、事業分を「地代家賃:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

インターネット料金

借方 貸方
事業主貸 500 普通預金 500
通信費 4,500 普通預金 4,500

※ネット料金5千円を事業主貸(個人)10%、通信費(事業)90%として按分した場合

インターネット料金や電気料金は一般的には継続して支払っていく契約になるため、引落しされたときに仕訳することになります。

プライベート分を「事業主貸:普通預金」、事業分を「通信費:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

一時的な経費の仕訳

  • コワーキングスペースを一時的に利用したときは、利用時に「雑費:未払金」としておき、引落しされたときに「未払金:普通預金」として仕訳する。
  • パソコンなどの消耗品を購入したときは、購入時に「消耗品費:未払金」としておき、引落しされたときに「未払金:普通預金」として仕訳する。

コワーキングスペース利用料(クレカ払い)

コワーキングスペースを利用したとき

借方 貸方
雑費 2,200 未払金 2,200

コワーキングスペースの料金が引落しされたとき

借方 貸方
未払金 2,200 普通預金 2,200

コワーキングスペースにドロップインで利用(数時間~1日利用)した場合は「雑費:未払金」の勘定科目で仕訳します。

料金が銀行口座から引落しされたときに、その月の利用料金をまとめて「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

また、書籍は「新聞図書費」や「雑費」で仕訳できます。書籍を頻繁に購入するわけではないのなら「雑費」にしておくと管理しやすいです。

パソコンなどの消耗品(クレカ払い)

パソコンを購入したとき

借方 貸方
消耗品費 79,800 未払金 79,800

パソコンの代金が引落しされたとき

借方 貸方
未払金 79,800 普通預金 79,800

パソコンは消耗品費で計上します。

パソコンは通常、固定資産として数年にわたり減価償却するかたちで計上しますが、少額減価償却資産の特例によって一括償却することもできます。

少額減価償却資産の特例

30万円未満の減価償却資産を一括で計上できるとする特例のこと。

パソコンを少額減価償却資産の特例で計上する場合は、購入時に「消耗品費:未払金」、引落しされたときに「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳します。

まとめ

  • アフィリエイト事業を青色申告する場合、複式簿記で帳簿付けする必要がある。
  • 個人用の銀行口座を事業用に転用して、できるだけクレジットカードで決済すると管理が楽。
  • アフィリエイト報酬は、金額が確定する月末に「売掛金:売上」の勘定科目で仕訳する。ほとんどのASPは振込手数料をASP側で負担してくれるので、振込みされたときに「普通預金:売掛金」の勘定科目で仕訳する。
  • サーバーやドメインの新規契約をクレジットカードでおこなったときは「通信費:未払金」の勘定科目で仕訳しておき、さらに引落しされたときに「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳する。
  • 家賃やインターネット料金、電気料金は、プライベートと事業(アフィリエイト事業)に分けて仕訳できる。プライベート用のお金については、事業用のお金を個人に貸し出したものと考えて「事業主貸」で仕訳する。
  • パソコンを少額減価償却資産の特例で計上する場合は、購入時に「消耗品費:未払金」、引落しされたときに「未払金:普通預金」の勘定科目で仕訳する。